考えて生きる
- 東北大ラグビー部
- 2020年6月9日
- 読了時間: 5分
4年目の阿部典弥(あべふみや)と申します。自粛期間中にダイエットに成功(??)し、体重が落ちたのですが、再開後に他の部員からどんな目で見られることかと日々恐れおののきながら生活しています。
私にバトンを渡してくれた優吾は大学からラグビーを始めた選手の一人です。日頃の練習では飄々とした雰囲気で、冷静なプレーが持ち味の彼ですが、時々見られる彼の独創的な言動には4年間同じ部活に所属する私でも驚かされることがあります。
正直、このブログという取り組みが始まった時から、自分が発信できるものは何かということは悩みの種でした。音楽も聴かない、映画も見ない、留学生と交流するなどという高尚な趣味も持たない私にとって、ブログ執筆など無理難題であるかのようにも思われました。
今この文章を読んでいるのは、私たちラグビー部の活動に強い興味を持ち、入部を決めてくれた、もしくは入部するか迷っている新入生が多いのではないでしょうか。私は読者の皆さんにためになることは何かと考え、少しだけ長く生きているであろう私から、私なりの大学生活のアドバイスをしようと思います。そんなに偉そうなことは言うつもりはないので、参考程度に読んでいただければと思います。
私は、3年目の後期頃から就職活動に取り組んできました。その中で最も多く聞かれた質問が、「大学生活の中で、あなたが最も力を入れたことを教えてください。」というものです。私は耳にタコができるほど聞かれました。この質問を通して企業の担当者の方は、この学生はどんな学生時代を送り、それに対してどう思い、行動したのかということを知ろうとしているのです。
大方の大学生は、頭をフルに働かせて自らの武勇伝をつくりあげ、それを語ります。サークルだとか、バイトのこととか、様々です。私はむろんラグビー部での活躍を話すわけですが、一つ困ってしまいました。いつもキャプテンやらリーダーの言うことを聞いて、従ってばかりだった私は、自分の意思で何も行動を起こしていなかったので、何もアピールすることができません。つまり、バリバリの体育会としてひたすら頑張っていても、何も考えずに活動していたらアピールすることがなくなってしまったということです。これでは評価すべきものも評価できませんね。
自戒の意味でも言うのですが、人間社会では常に考えて行動することが要求されます。また年をとるごとにその必要性は増していくように感じます。たとえば、Aという練習に対してある点が間違っているという意見を持ち、Bというそれを改善した練習を考え、提案するということです。私はこの考えるアクションを若い大学生、ましてやこれから多くの時間がある新入生に意識してやってほしいと思っています。これは決して就活のためだけではありません。
難しいようなことを言っているようですが、全くそんなことはありません。バイトでもサークルでも、何かの行動には常に自分の意見を伴わせるようにしてほしいのです。持つ意見もはじめは「これは楽しい」とか「ここはおかしい」といったものでかまいません。そこからなぜという問いを重ねていきます。
すると、自分の人となりというか、性格がわかってくると思います。他人のためになることを常に選択しているとか、常に厳しい道のりを好む、といった風に。これを繰り返しより正確な自分像を得られれば得られるほど、後に大学のコース選択や職選び、パートナーとの結婚と言ったようにより自分に合った選択ができるようになると思います。(これを書いている私もまだ21歳なので、正確なところはわかりませんが)。
大学生は「人生の夏休み」といわれるほど時間があります。この「行動に自分の意見を持つ」練習にはぴったりではありませんか。様々なことに手を出して、頭を使えばいいのです。その中に自分が天賦の才能を持つものに出会えたら、これ以上の喜びはありません。部活の新歓のための記事で言うのも何ですが、興味を持ったものはサークルだろうが勉強だろうが、とことん手広く取り組むべきです。
私たちラグビー部はこの「考える」環境がかなり高度なレベルで充実しています。一つ一つのプレーに考えを巡らせる必要がある競技としての特性に加え、様々な視点を持った部員がラグビー部にはいます。海外留学を経験した部員もいれば、研究で忙しそうな部員、テストの度に死にそうになるほど講義を入れる部員など、文系理系さまざまなタイプの部員が日々意見を交わしながら活動しています。
この部活で活動することで、考える力は相当養われます。練習もつらく、雨の日も風の日も雪の日も練習がありますが、それを耐え抜き、試合で勝利したときの喜びは他の活動では得られないものがあります。
大学での4年間は長く感じられますが、長い人生の中では貴重で、限られた時間です。その貴重な4年間を、私たちラグビー部とともに過ごし、仲間や相手にぶつかりながら、自分と向き合ってみませんか。
長く拙い文章でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
さて、このバトンですが、同じ4年目の経済学部と言うことで、五月女敦に書いてもらおうと思います。彼ならきっと人生が変わるような素晴らしい文章を書いてくれることでしょう。
4年 #阿部典弥
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