top of page
  • Instagramの - ブラックサークル

ラグビーと世界

  • 執筆者の写真: 東北大ラグビー部
    東北大ラグビー部
  • 2020年6月5日
  • 読了時間: 6分

経済学部4年、フランカーの小川です。

僕の最愛の後輩である片岡くん、バトンを渡してくれてありがとう。

そのノーベル文学賞並の随筆、確と受け止めました。

部活が再開した暁には、また互いの大志をドイツ語にて語り合いましょう。

さて、後輩とのじゃれ合いも程々にして、早速本題に移りましょう。

…と言いたいところですが何もアイデアが浮かびません。現在、担当日の朝4時。絶望的状況です。

この朦朧とした意識の中では、赤い牛を以てしても翔けそうにありません。ブログ担当のゆうきちゃん、迷惑かけて本当にごめんなさい。この後に及んで泣き言を吐露している場合ではないので、とにかく書き始めますが、稚拙な文章になること必至です。どうかご容赦ください。

「ラグビーと世界」

深夜テンションでヤケになったのかとお思いかも知れませんが、僕がこんな大層なテーマを選んだのには、それなりに真面目なバックグラウンドがあります。しかし、その訳を話す前に一つ。皆さん、運動部に入ったら、大学生活がそれ一色に染まってしまうと思っている人、多いんじゃないでしょうか?もちろん、皆さんが望めば、大学生活の全てを注ぎ込むのに充分すぎる程の条件が整っています。しかし、その逆もまた然り、望みさえすれば、運動部を軸に、幅広いチャレンジで日々を彩ることも可能なのです。僕はラグビー部の活動と、国際交流団体での代表活動、ドイツでの交換留学、バイト、その他諸々を両立してきました。僕の話を聞いて、そんな大学生活もあるんだと、皆さんの視野を広げる手助けになれれば幸いです。

まず、なぜ僕がラグビー部への入部を決めたかをお話ししておきます。前述の通り、僕は、入学時から絶対に留学すると心に決めていたので、高校で始めたラグビーを大学で続ける気はありませんでした。それでも入部を決めたのは、新歓のただ飯に踊らされたわけでも、僕の顔をオムライスにぶち込む怖い先輩に怖気付いたからでもありません。ポジションごとにバラバラで、個性が溢れるラグビー部の空気を吸うことで、色とりどりの価値観に触れてみたかったのです。もし留学だけの学生生活を送っていたとしたら、僕のコミュニティは、同様に留学を志す人々だけで埋め尽くされていたでしょう。そんな井の中にいては、大学生活を部活にかける人の気持ちなど、分からなかったかも知れません。留学という行為に足りていないものを、見抜けなかったかも知れません。そして、どんなに辛くても、どんなに意味のないように見えても、仲間と共にやり遂げる素晴らしさに、気づけなかったかも知れません。価値観の引き出しを多く持つことは、世界を理解する枠組みを広げること、そして自分の活動を客観視する鏡を持つことに繋がると考えています。そう思って入部を決意し、そしてその判断は今でも正しかったと自負しています。

しかし、留学によって世界に出てしまえば、僕の持つ価値観の豊かさなどちっぽけなものでした。会う人会う人、そのそれぞれが、全く異なる考えを突き付けてくる。それまでの既存概念が常に壊され、塗り替えられていく毎日。しかし、そんな中で唯一不変だったもの、それがラグビーでした。静かそうに見えるオーストラリア人の女の子も、ラグビーの話をした途端、怒濤の勢いで話しかけてくるのです。大学のラグビー部では、突然入部してきた小さなアジア人に対して、初日から快くビール瓶を手渡してくれました。W杯の日本対アイルランド戦を、アイリッシュバーにて、アイルランド人学生と共に観戦したことは、今でも忘れることができません。(日本の勝利後、ビールを顔にぶちまけられたからです。)ラグビーによって勝ち得た価値観の枠組みが、初めて誰かとわかり合うツールになった瞬間でした。

しかし、これは僕に限った話ではありません。多様性の受容、それはラグビーというスポーツが、元来持ち合わせてきた文化的特徴です。現在のラグビー日本代表には、海外にルーツを持つ選手が多くいるイメージをお持ちだと思います。調べてみるとその数、実に31人中15人、約半数も占めているのです。これは、ラグビー協会のルールでしっかり認可されていることで、他国でも珍しいことではありません。ラグビーは、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどイギリスの旧植民地で盛んなことが知られていますが、このような歴史の中で、入植者などを中心に、新しい土地に行ってもラグビーをプレーできるようにしたのが由来と言われています。バックグラウンドが異なっていても、国の誇りを胸に、一つのチームとして戦い抜く。試合が終われば、たとえ敵チームであっても称え合う。自国第一主義が勢いづくこの世の中で、とうの昔からグローバリズムとナショナリズムのシーソーに確実な均衡点を見出していたこのスポーツには、私たちの理想とすべき先進性があるのではないでしょうか?ラグビーに携わるということは、それだけの価値を享受できることだと実感しています。

余談ですが、僕も映画が好きで、以前に詩音君が紹介していた映画、全部好きなやつです。気になる人は彼の記事もチェックしてください。ということで、僕が今回紹介したい映画は『インビクタス/負けざる者たち』です。現在、アメリカを中心に巻き起こっている世界的ムーブメントにも繋がる内容なので、新入生の方だけでなく、部員にも見てほしい作品です。かつて、アパルトヘイトの象徴であったラグビー南アフリカ代表、通称スプリングボクスが、1995年のワールドカップを機に、人種の壁を超え、国家を一つのチームにまとめ上げる存在へと生まれ変わっていく過程が、当時のマンデラ大統領と代表チームとの交流を通して描かれています。劇中、この映画の題名にもなっている、「Invictus」という英国作家の詩の中から、「I am the master of my fate, I am the captain of my soul(私は我が運命の支配者、我が魂の指揮官なのだ)」という引用があります。部活も、サークルも、バイトも、勉強も、留学も、その行為自体に、元から客観的な意義があるものなんて何一つないと思います。全てただの自己満足に過ぎません。しかし、詩にあるように、その行為に後付けし、意味を持たせていくのは自分自身ではないでしょうか。そして、自分が納得し、後悔することがないのであれば、どんな生き方も考え方も絶対に正しい筈です。まだほんの少しだけど、異なる価値観に触れてみて、そう強く感じています。もしその中で、意味のある自己満足を得る手段として、ラグビー部を選んでいただけるなら、僕たち部員はその生き方を一生懸命応援します!いつでも足を運んでください!

何やかんや言っていましたが、書き始めてみたら結構いけました。現在朝の8時。間に合うことを祈ります。

翼をくれるなら、もっと早く授けて欲しかった…。

このバトンは、僕の後を継ぎ、ラグビー部のエリートとして、今後大いに活躍していくであろう、藤田くんに任せたいと思います!

長々と最後まで読んで頂き、ありがとうございました!


Comentarios


​東北大学 学友会ラグビー部 Official Blog

〒985-8576 宮城県仙台市青葉区川内41
​東北大学川内キャンパスグラウンド
  • Twitterの社会のアイコン
  • Instagramの社会のアイコン
  • Facebookの社会的なアイコン

© 2020東北大学学友会ラグビー部公式ブログ Wix.comを使って作成されました

bottom of page